ヘアモコモコ生活

ヘアモコモコ生活

藤井風

自分がいかに最近の音楽に疎いかということをわかりやすく説明するために「私が知ってる中で1番新しいアーティストはKing Gnu」というフレーズを今までに15回は使ったと思うが、厳密に言うとKing Gnuではなく藤井風である。

未だヨルシカとYOASOBIのどっちが幾多りらだったか迷うレベルで最近の音楽を知らないが、それでも2021年の紅白で見た藤井風は衝撃だった。あんな画質悪い中継(を装った映像)でも、この人レベル違うと一瞬で思った。

 

とは言え、その後藤井風を聴くようになったわけではない(あまり音楽を聴く習慣がない)ので、曲や歌詞の素晴らしさなど音楽性については特に私の語るところではない。

 

ただそれは一旦置いておいて、音楽性とは別のところで藤井風が凄いと思う点がある。それは彼の途方もない愛され力である。

まず私はシンガーソングライターというものがわりと苦手で、誰かから曲を提供されて歌っているアーティストや複数人のメンバーで音楽を成立させているバンドと違い、個人の想いがその人自身の作った曲と歌詞に乗ってその人の声で歌われるという形式があまり好きではない。想いがダイレクトすぎて引いてしまう。アコースティックギターなどシンプルな楽器に合わせられていると、想いの強さが際立ってより引く。

 

ただ藤井風に関しては、シンガーソングライターであるはずなのに全然この感じがない。何というか藤井風は全然聴いている人に訴えかける雰囲気がなくて、どちらかというと藤井風が歌っているところを我々が見ているというか、こっちが聴きたくて聴いてる、という気分にさせられる。自分から愛されたい感を出すことなく、ごく自然に人から愛される感じ。彼の音楽性も多分にあるだろうが、根本は人間性の問題であると思う。

 

この愛され力の根源は、藤井風が4人兄弟の末っ子であったことが主な要因であると推察する。私自身2個下の妹を持つ長女として育ったのでとてもよくわかるのだが、末っ子として育った人は周りの人から愛されている状態が基本装備なので、自分から愛されに動かない。にもかかわらず幼少期から愛され続けているため、後天的には獲得できない愛嬌と素直さを備えていて、人から自然に愛される。なので末っ子かどうかは話しているとすぐわかる。藤井風も2021年の紅白のパフォーマンスを見て、即末っ子であることを確信した。Wikipediaを確認し、やはり末っ子であった。

 

先述の通り藤井風の曲はあまり知らないのだが、一応私なりにオススメもあるので1曲紹介すると、この泰葉のフライディ・チャイナタウンのカバーはとても良い。

金髪豚野郎を思わせる明るい髪色が印象的。そして何より、チャイナタウンにかけて冷凍の中華丼をピアノに置いて撮影するという、こののびのびしたボケに、愛されていることが基本装備という、紛うかたなき末っ子ムーブを垣間見ることができる。

https://youtu.be/6sJP_Cz7fxU?si=BskBLxNgVtdgGfLA