ヘアモコモコ生活

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ワークライフバランス

リアム・ギャラガーのライブに行った。

兵庫県民の私が火曜夜に東京で行われるライブに行くのは至難の業だったが(火曜日は打ち合わせが多くて有休が取れないし、日中忙しいので必ず残業になる)、リアムのライブのチケットが取れることなどもう一生ないかもしれないので、早朝に東京に移動しテレワークを装って普通に勤務、仕事の都合は完全無視してそのまま定時に上がるというかなりの強行スケジュールでライブに参加した。ライブ後は流石に帰れないので神田のホテルを予約、翌日も何事もなかったかのように東京でテレワークして夜新幹線で帰阪することで誤魔化す算段であった。

 

ライブはOasis時代の名曲をめちゃくちゃやってくれて、感謝の一言だった。無理して行って良かった。意外とBeady eyeも好きな私としては、そっちも1曲くらい・・・?という気持ちがなくはなかったが、リアムのキャリアの中でBDIはまあどうでも良いレベルではある。感動した。

 

一方で、無理やり仕事を切り上げて脳が仕事モードのままライブにきてしまったので、妙に没入できない感じもあった。この辺は人によると思うが、私はなんやかんやで働くのが嫌いじゃないので、仕事は仕事、と割り切って遊ぶことが苦手である。

というか普段から過労死ラインを恐れることなく豪快に残業を繰り返している私は、思えば久しく定時に上がるということをしておらず、そもそも公私を切り替えるという感覚を完全に失っていた。最近は休日も仕事しちゃってるので、公私の境目がもはや無い生活をしていたのだ。

 

それであってもリアムのライブ自体は本当に素晴らしかった。1曲歌い終わるごとに「arigato」と叫んでくれて(正直自然なthank youの方が聞きたくはあったが)、声の調子も良かった。Roll with it流れた瞬間は自然に涙が出た。

しかしそこまで感動しているというのに、ライブ中も仕事を置いてきたストレスを薄ーくずっと感じていた。ライブ中も社会人としての自覚がものすごくあった。

 

そんな調子だったので、結局ラスト1曲の所でもうこれはライブの感動に浸ってる場合ではない!と一念発起するところとなり、ラストの曲を捨ててライブ会場をダッシュで退場、タクシーを捕まえて東京駅に飛ばしてもらい、最終の新幹線に乗って帰ることを決断した。ギリギリで滑り込み、今その新幹線に乗っている。東京にゆったり1泊して明日改めて新幹線で帰阪するとなったら明日も残業できず、また満足に仕事ができない。となるとストレスが増大するので、リアムの感動的な思い出がストレスで薄れるなと思った。もう泣くほど感動したのでラストの1曲は捨ててよいと判断した。

死ぬほど急いでいたのでタクシーで人生初のお釣り要らないですもやった。豊洲PITから東京駅八重洲口まではタクシーで2,470円なので、2,500円用意しておくと30円を辞退するだけで秒速下車できる(場合によるだろうけど。そして地味にホテルのキャンセル代も7,820円も支払っている)。

 

ちなみに捨てたラスト1曲はジミヘンのカバーだったらしい。若干の後悔はあるがジミヘンのファンじゃないので許容範囲ではある。

 

ワークライフバランスが叫ばれる昨今だが、人には人のワークライフバランスがある。仕事を途中で切り上げた分、ライブも途中で切り上げるくらいがちょうどいい人間もいるということだ。悲願の生リアムを果たして総合的には1万点の1日だったので、これでちょうどいい。